新聞や雑誌、ネット上において中国ビジネスに関する話題が数多く出てきます。
等、魅力ある言葉があふれています。
確かに中国には多くのチャンスがあります。なぜなら日本のかつての高度成長期同様に多くの企業が発展し、国民の収入が増えていくことで新しい商品やサービスを受け入れる市場が形成されているからです。
さらに中国はまだ日本などの先進国に比べて良い物、良いサービスが完全に普及したと言える市場ではありません。まだまだ水を吸い込めるスポンジの様な市場です。
ゆえに良いモノ、良いサービスを持つ日本の多くの企業が中国にチャンスを求め、熱を上げるのも必然の事だと思います。
しかしどんなビジネスであれ、良い言葉に誘われて
成功するためには様々な試行錯誤を繰り返し、また無駄となるかもしれないお金を注ぎ込む必要もあります 。
それを承知の上で中国ビジネスに臨むわけですが、では実際に中国でビジネスを行うにあたって何が必要でしょうか
情報収集や優秀な人材の確保など色々考えられますが、まずハードとして重要なのが
もし日本から輸出だけして、その代金を日本の口座に振り込んでもらえるような取引が築き上げられるのならば日本の会社のみでビジネスをすれば良いですが、そのような都合のよいお客さんにはなかなかめぐり合えません。
ゆえに現地で商売をするためには、現地に会社を持つ事が基本事項となります。
ここで中国でビジネスを行うために会社を作る場合、設立場所という視点に立つと大きく分けて2つの場所があります 。その場所とは
良いのは大陸です。なぜなら巨大な市場は中国大陸の中にあるからです。
また中国大陸で物やサービスを販売する場合、『発票』という政府から正式に認められた領収書を発行する必要がありますが、それは大陸に登記された企業でないと発行出来ません。
ゆえに中国でビジネスを行うためには大陸で法人を設立するのが理想的です。
ところが大陸での会社設立には、
なぜかと言いますと大陸での法人設立および維持には多くのコストや手間がかかり、さらに一度設立すると後戻り(抹消)が簡単に出来ず、前に進むしかないというリスクがあるからです。
以下、具体的な例で説明します。
大陸で法人を作る場合には事業の内容や登記場所にもよりますが、サービス業や貿易業といった法人の場合、資本金や登記関連の費用で少なくとも300万円から1000万円を大陸に入れる必要があります。
(※2015年末の時点で資本金のハードルは下がってきています)
そのお金のほとんどは資本金ですので、後々運転資金として使う事が出来ますが、万が一中国事業を撤退しようとしても、簡単に撤退手続きが認められません。
1年から2年かけてやっと清算手続きが終わる会社すらあります。また入れた資本金は閉鎖手続きの際、現地の税務局から色々言いがかりを付けられ、その多くを追徴課税の形で徴収されてしまいます。
ゆえに大陸に会社を作る場合には
ぐらいの覚悟で臨む必要があります。
しかし規模の小さい企業の場合にはそういったリスクは出来るだけ避けたいと思うのが現実です。
そんな場合に利用できるのが、香港法人です。
香港は国家としては中国の一部ですが、経済的には外国扱いです。
ゆえに法人設立や税務に関するルールが大陸とはまったく違い
となっています。
大陸内において発票(領収書)を発行する事は出来ませんが、大陸でビジネスをしている企業は香港に本社や関連企業を持つ所が多いため、そういった企業との取引では香港法人同士での決済ができます。
また日本法人のみの場合よりも、香港にも法人がある方が中国の市場からの信用度が違い、現地法人がある方が、きちんとしたサービスを受けられそうという印象を与えられます。
このようなメリットのある香港法人ですが、設立は非常に容易で、事業内容にもほとんど制限がありません。また万が一会社を閉じる場合の手続きも簡単で、残った資金を株主に戻すのも大陸の法人のような障害はなく簡単です。
ゆえに香港で法人を設立するケースが日本企業だけでなく、多くの外資系企業において行われています。
それを明確に表すデータとして、以下に2009年の国別対中国(大陸)投資金額ランキングを示しますが、第一位は香港となっており2位の台湾に約8倍の差をつけています。しかしその多くは香港以外の外資系企業が香港法人という器を使った投資だと言われています。
ランク |
国(地域) |
投資金額 |
1位 |
香港 |
US$540億 |
2位 |
台湾 |
US$66億 |
3位 |
日本 |
US$41億 |
4位 |
シンガポール |
US$39億 |
5位 |
米国 |
US$36億 |
2009年度における対中国(大陸)向け投資額の国別ランキング
(2010年度、JETRO発表)
ここまでのお話で中国ビジネスにおける香港法人のメリットを多少ご理解いただけたかと思います。
ところが香港で会社を設立する場合、大陸内に比べ
ここで香港に事務所を置いた場合にかかる費用をざっくりと計算してみます。
香港尖沙嘴(Tsim Sha Tsui)で面積50u(実用面積は約80%の40u程度)のオフィスを借り、香港人スタッフ1名(雑務、日本語コミュニケーションレベル)を雇うと仮定します。分かりやすくするため日本円にて表示しています。(2010年に試算)
1.オフィス賃貸関連 |
||
家賃 |
\3,500/u×50 | \175,000×12ヵ月 |
管理費等 |
約20% | \35,000×12ヵ月 |
デポジット(敷金) |
2ヵ月分 | \350,000 |
不動産仲介手数料 |
0.5ヶ月分 | \87,500 |
2.オフィス用品 |
|
内装工事 |
\1,000,000 |
パソコン、プリンター、電話、FAX等 |
\500,000 |
事務机、書棚、応接セット等 |
\500,000 |
3.光熱費、雑費 |
|
光熱費、通信費、文具等 |
\50,000×12ヵ月 |
4.人件費 |
||
給与等 |
給与 | \110,000×12ヵ月 |
ボーナス |
給与の1ヵ月分 | \110,000×1ヵ月 |
年金負担 |
給与の5% | \5,500×13ヵ月 |
人材紹介会社紹介料 |
給与の1ヵ月分 | \110,000 |
年間の固定費(1+2+3+4) | \6,569,000 |
これを見て分かります通り、年間約660万円の固定費がかかります。なおこれ以外にも会社設立のコスト、日本人駐在員の住居、駐在員の現地給与などが加わります。
これだけの高いコストをかけて香港法人を設立するのは、資金に余裕がある大きな企業のみです。多くの中小企業は固定費の大きさに二の足を踏んでしまいます。
この方法を利用すれば、会社設立の費用を含めても上記固定費の
1/40程度の費用で香港法人の設立と維持が出来てしまいます。
さてその仕組みですが、それはバーチャルオフィスを用いる方法です。
バーチャルオフィスとは、香港にある既存の会社の住所を借りて会社登記をする事で、実際にオフィス物件を借りなくても会社登記が出来る方法です。
また香港の法律では法定秘書役という会社登記や更新に関わる書類の管理を行う人を雇う義務がありますが、その秘書役も委託する事ができます。
このサービスを使う事で、
香港に事務所を持たずとも、法人および法人銀行口座を持つ事ができます。もし日本から駐在者を派遣したい場合、その活動地域が中国側にあるのであれば、住まいを香港ではなく隣の中国大陸に構える事でコスト削減に加え、業務の効率アップに繋がります。
銀行からの送金手続きや入金確認などはインターネットバンキングで行い、郵便等の管理や転送処理は委託管理をする、これにより香港に拠点を持たずとも香港法人での事業活動が出来るようになります。
ここで
をお伝えします。それは
です。その理由ですが、実際に起こったケースを交えてご説明します。
とある秘書役会社で法人登記と秘書役を依頼され、その後、税務局から税務申告書が届き、どうすれば良いか秘書役会社に相談したところ、「うちでは対応しておりません」と言われてしまい、自分で決算、監査をしてもらえる会社を探していたところ弊社にたどり着きました。
香港では税務申告書が届いてから原則1か月以内に税務申告を行う義務があります。通常であれば余裕を持って決算と監査を済ませておき、税務申告書が届いたら必要事項を記載して税務局に提出すれば良いのですが、このケースではすでに税務申告書が届いて期限が迫った状態でご連絡を頂いたため、決算と監査を大至急で進め税務申告を済ませました。
このようなトラブルは、法人登記を格安で提供していたり、表面上の無料をうたっている法人登記会社で起きているケースが多いようです。
売上と仕入、現金出納帳は社内スタッフが管理して、決算はすべて秘書役会社に任せっきりで詳細を把握していなかったため大きな問題が発生してしまったという方から連絡がありました。その内容とは、身に覚えのない会社からご自身(役員)への貸付(借金)が数千万円にのぼっていて、社内の担当者に問い詰めても原因が分からないとの事で、弊社にご相談頂きました。
まず会計監査報告書を確認したところ、過去の決算に2つの会計事務所がからんでいました。過去の監査報告書に加え、総勘定元帳や売上データ、費用明細の記録を調べたところ、売上の二重計上、領収書不足や曖昧な契約書など証憑としての必要条件を兼ね備えていない事などが原因で、会計事務所の判断で計上不可とみなされ、多くの出金が役員への貸付処理(借金)とされ、それが蓄積されてしまっている状態でした。
これは出すべき証憑に問題があったので、全てが会計事務所側の問題とは言い切れませんが、もし秘書役会社内で会計業務を行っていれば、不足や不備の書類はすぐに気がつくため決算を締める前に顧客に修正の催促やアドバイスする事が可能です。ましてや役員への貸付(借金)といった後々問題を残すやり方に関してはきちんと顧客と相談をしたうえで進める事ができます。
実はこのようなケースは非常に多く、香港の税法は厳しくないからと考えて秘書役会社に任せてしまったため起きている問題です。加えて秘書役会社が決算業務を外部に丸投げしているため問題の存在にすら気づくこともできません。
ゆえに会社登記や秘書役だけでなく、会計処理機能を備えている会社に登記、秘書役など法人管理を依頼することが重要となります。
香港法人出資による中国大陸への法人設立を検討されているお客様が秘書役委託先である会社に相談したところ、全く対応してもらえなかったとの事で弊社に相談がありました。
これは当たり前の事ですが、香港と中国大陸では税務や商取引にかかわる法律が全く違うため、香港のみで業務を提供をしている会社にとっては経験の無い未知の世界となります。
さらに中国の法律は香港よりも変更が早いため常に中国大陸で業務を行っていないと最新の状況には追いついていけません。ゆえに対応したしても、「中国での工場設立は資本金が最低USD100万以上が必要です」といった相当前に政府系機関がしていたような説明を今でもしてしまったりしているケースがみられます。
弊社に相談に来られたお客様の話ですが、「色々香港で業者に相談したが、回答やアドバイスがどこもバラバラで混乱してしまった」というのがその表れかと思います。
この様な状態は香港のみで業務提供をしている秘書役会社に加え、香港会計士事務所に秘書役を委託されているケースでもあるようです。
社内に会計士を有するため、経理業務の代行はもちろんの事、毎月の財務諸表の
作成、決算業務の対応まで弊社内で行っています。そのため税務申告の忘れ
といった問題は起きませんし、顧客の提供する証憑の不備といった問題は
弊社内のチェックで未然に防ぐことができます。また顧客の機密性のある情報が
外部に漏れないため、節税に関するアドバイスなども適切に対応ができます。
弊社のお客様担当スタッフは全て日本語での対応が可能ですので、電話やメールで
のお問い合わせは日本語でOKです。
香港法人の登記は、その先に中国大陸でのビジネスを目指している場合が多く、
サポート会社が大陸におけるサポートが強いかどうかは、その後の
運営に大きな差をもたらします。弊社は深セン市に活動拠点を設け、
大陸内での法人登記、会計業務サポート、輸出入サポート等も行っております。
現在、香港および広東省で50社を超える法人の運営サポートを行っています。
香港法人を活用する上での疑問点、大陸との三国間貿易の進め方、大陸への
投資など実際の運営実務に関わる相談、代行が可能です。
なお、当社がご提供する香港法人登記、維持の費用に関してですが、以下の通りです。
会社設立および1年目の維持に関する費用 |
||
香港法人登記および1年間の維持管理費 |
HK$10,000 |
|
会社登記の政府費用 |
HK$1,720 |
|
商業登記証発行費用 |
HK$250(2019年4月現在) |
|
合計 |
HK$11,970 |
HK$11,970(日本円約17万円相当)で香港法人の設立と1年間の住所使用、
法定秘書役業務を兼ねた維持サービスが受けられます。
※なお会社設立は書類の送付のみで対応出来るため、香港に来て頂く必要はありませんが、銀行口座の開設申請時には株主、役員の方に香港に来て頂く必要があります。
※上記費用に含まれるもの
・法人登記の代行手続き
・法人銀行口座開設のための段取り、申請資料作成サポート、アテンドサポート
・インターネットバンキング操作方法のサポート(ネットバンキングによる納税も含む)
・会社登記住所の提供(場所:九龍、法人登記日より1年間提供)
・法定秘書役の提供(法人登記日より1年間提供)
・政府関連部門からの書類に対するサポート対応
・香港法人活用に関するご相談
・会社登記書類、議事録等の作成、保管
・政府、銀行からの封書類の受け取り、保管、開封連絡、転送手配
※上記費用に含まれていないもので法人維持に必要なもの
・経理(記帳)業務、決算(および監査)費用
香港では法人設立から18カ月以内に1回目の決算、監査、税務申告を行わなければなりません。
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