ここ最近、香港ではデモが頻繁に行われ一部の地域では暴力行為が発生しているため、治安を不安視され日本から出張できなくなっているケースが出ています
現地で活動している立場から申し上げますと、実際のところ問題は局所的であり現地での仕事、生活に困るといった状態ではありません
しかし出張となるとメディアからの情報を無視することもできませんので、やはり現時点で香港への出張をできる限り避けるという判断も致し方ないかと感じます
ただ香港法人を運営されている方にとって、
という実情があるかと思います
具体例として、といったことで出張が必要になってくるのではないでしょうか?
この際に面倒となってくるケースは、
かと思います
その場合、特に委託先が現地ローカル企業となると、英語か中国語での対応となるため、自社内で言語に通ずる方が対応するか、もしくは通訳を用意する必要があります
もしローカル企業が日本語で対応ができたとしても、
しているため、確認したいこと、やりたいことがスムーズに進まないという状況が起こってしまいます
この問題を避けるため、日系の会計事務所に委託するという選択肢もありますが、その場合、
といった状況になるため、コンプライアンス上の対応が必要な大手企業や上場会社でなければ、実際のところ無駄なコスト負担ではないかと思います
もし御社が、香港法人の会計、税務申告業務を、できるだけ現地に行く必要がない遠隔操作で、かつスムーズに進められたい場合、
まず、委託先が会計資格を持っていることは最低限の条件ですが、それ以外に委託先がそなえるべき条件として、
そして、
といった事が重要になります
しかし、これらの条件を兼ね備えるためには、委託先に十分な日本語能力を持った会計士もしくは会計実務担当者(会計実務を行えない日系企業担当デスク(窓口)ではなく)の存在が必要になってきます
ところが、香港での会計士や会計業務にたずさわる人材のコストは高く、加えて十分な日本語ができるという人材は非常に少ないため、そのため人件費は非常に高くなります
ゆえに、これらの条件を兼ね備えている会社に会計業務を委託すると、委託コストが高くなるのは自然な現象です
先に説明した日本人会計士を常駐させている日系の会計事務所に委託する場合のコストが高い、という事実がそれを如実に表しているかと思います
そんな状況に対し、弊社は数年前に一石を投じ、現在までお付き合い頂いているお客様から非常に重宝されるサービスを提供することができるようなりました
それは、
ということです
具体的には、弊社の会計業務の実務を香港の隣にある深センに置くことで実現しています。深センは地理的に香港のすぐ隣にあり、日本で言えば東京都と埼玉県くらいの位置関係にあります。ゆえに現地で生活したり仕事をしている人達は毎日のように頻繁に行き来しています
こんなに近い距離にありますが、深センの人材コストは香港の半分以下になります。そのため香港だと採用の難しい会計実務能力があり、かつ日本語レベルの高い人材を確保することが可能になり、それにより弊社のサービスは、ローカル価格でありながら高いレベルのサービスを提供することが可能になっています
弊社にお問い合わせを頂く内容で、比較的多い質問で以下のようなものがあります
お客様:
その際に、回答させていただくのは、
弊社:
と答えさせていただいています
ちなみに帳簿上の数字と実際の状況の把握とは、売掛金や買掛金、在庫の数量、また役員への貸し借りの明細といったバランスシート上の数字をある程度把握されているかどうか、といったことになります
なお、弊社では現在、約40社のお客様に会計業務の代行を提供させて頂いていますが、そのうちの1/4にあたる10社ほどが、以前、他の会計事務所に業務を委託されていたものを弊社に移管されているお客様になっています。この状況からも会計業務の移管は可能であることが見て取れるかと思います
また、それらのお客様が決算や税務申告を行うにあたり、メールや電話でのやり取りのみで上にあげたような問題の対応や、節税のための相談に対応しています
なお、お客様によっては、現地法人の実務として出納帳管理や売買のインボイス発行といった業務を担当する社員を置かれている場合もあるため、その際には日本から出張で来られる担当者、現地の社員、弊社担当者の三者で打合せを行っているケースもあります
打ち合わせ場所は、香港はもちろん、もし香港への訪問に不安がある場合、隣の深センでも打合せを行っています。現在、深セン空港(深セン宝安空港)は日本からの直行便が出ていますので移動も便利です
以下に、実際に弊社で会計業務を引き継いだケースで起こった実例を、参考までにご紹介いたします
10年以上に渡って香港のローカル会計事務所に会計、決算業務を委託されていたA社様から、
「年を追うごとに決算のレポートが上がってくるのが遅くなり、監査前の対策
(節税のための事前相談・対応など)も要望通りに対応してくれなくなった」
との事で、弊社への会計業務移管のご相談があり、最近の監査レポート、記帳の内容等を確認させていただいた上で、引継ぎがせて頂きました
その後、監査レポートの内容、売掛金、買掛金などのチェックをしていく過程で、つじつまが合わない処理が行われていることを発見しました
ご依頼いただいたルーティン業務(代行としての記帳、決算業務)とは別作業となりましたが、過去の取引、帳簿上のつじつまがあわない原因を調べることになりました
帳簿と過去のインボイスを突き合わせていったところ、インボイスの2重発行が発覚、また小切手の支払い先の会社に疑わしい会社(後に社員名義の会社であることが発覚)があることも分かりました。状況をお客様に報告し、その社員と面談を行ったところ横領の事実を認めることとなりました
この問題が発生した原因は、
現地で採用した社員に取引先との売り買いの管理だけでなく、決算、監査の際、ローカル会計事務所とのやり取りもこの社員に担当させていたため(言語の問題があったため)、インボイスの2重発行で帳簿操作をしても発見できる状態になかったことが問題でした
現在、横領をした社員は解雇し、新しい社員を採用し業務を継続されていますが、毎月、財務諸表の報告を弊社から行い、また決算の際には日本側と弊社が直接やり取りを行っているため、現地の担当者が横領等の間違いを起こす可能性は無くなり、健全な運営体制になったとお客様から評価を頂いております
B社様は、日本語で業務委託ができるところを探されていて弊社にお問い合わせを頂きました
それまではローカルの会計事務所に記帳業務を委託して決算を行っていました。決算の際、納税額の事しか気にされていなかったため、確認は損益表のみで、貸借対象表を見ることはほとんどありませんでした
弊社で貸借対照表の内容を確認したところ、会社から役員への貸し付け金額が数十万ドルとなっているのを見て、その内容の確認をお客様としたところ非常に慌てた様子で、会社から借りている認識はない、との回答でした
その後、詳しく確認を進めていったところ、過去に決算、監査を行った会計事務所が、銀行からの出金はあるが、対応する証憑の提出が無かったため、経費として計上を認めず、それらをすべて役員への貸し付けと処理している状態であることが分かりました
監査を行う上で決算の処理としては間違ってはいないですが、せめて監査にかける前に、顧客側へ銀行の出金の内容を確認し、それが経費であるならば相当する証憑を要求すべきであったケースです
香港の会計事務所では、意外とこのような連絡をしてくれないところが多いようです。背景として、香港の文化が原則自己責任の社会であるため、こういったところにもそれが反映(証憑を出さないのは顧客の自己責任であると考えている)されているのかもしれません
B社様は、その後、会計業務を弊社に移管されましたが、当然、弊社では決算前に不足の証憑類に関しては顧客に確認してからその対応方法を相談する方法をとるため、知らないうちに役員への貸し付け額が増えるといった事はなくなりました
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